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保険会社の提示金額が妥当か平塚の弁護士が解説

2020.07.21 Tue by INAGAKI LAW OFFICE

交通事故に遭って,保険会社から示談金額の提示を受けたときに,
果たして,その金額が適正な金額なのか,よくわからなかったりしませんか。

交通事故に何度も遭ったり,仕事で交通事故案件を扱うといったことでもない限り,よくわからないのも無理はありません。
そこで,このコラムでは,そのような方に提示金額の見方について,説明していきたいと思います。


目次
1. 基準が違うんです~自賠責基準・赤い本基準~
(1) 慰謝料
ア 傷害(入通院)慰謝料
イ 後遺症慰謝料
(2) 休業損害
ア 休業損害について
イ 主婦の休業損害について
(3) 逸失利益
ア 逸失利益とは
イ 労働能力喪失率・基礎収入・労働能力喪失期間
2. まとめ


1. 基準が違うんです~自賠責基準・赤い本基準~
保険会社が提示する金額は,一般的に最低限のレベルの自賠責保険の基準に準拠した提示であることが多いようです。しかし,裁判所や弁護士は「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」という赤い本に記載されている基準(通称:赤い本基準と呼ばれることも多く,以下では赤い本基準として説明します)を用いて金額を算定することが多いです。

そのため,弁護士に依頼することで,増額を勝ち取ることができるという場合が少なくありません
そこで,保険会社の提示金額のそれぞれの項目のうち,増額できる可能性の高い項目について,説明していきます。

(1) 慰謝料
まず,慰謝料は,2つあります。
① 傷害(入通院)慰謝料と②後遺症慰謝料です。
前者は,事故日から症状固定時までの慰謝料を意味し,後者は後遺症が残存した場合の慰謝料を意味します。

ア 傷害(入通院)慰謝料
自賠責保険基準の場合,入通院日数を基準に算定されます。また,1日当たりの金額も4200円と低額なのです。
しかし,赤い本基準では,入通院の期間を基準に算定されることが通常です。
そのため,多くの場合は,自賠責保険の基準に準拠して提示される保険会社の金額よりも高額化することになります。

イ 後遺症慰謝料
後遺症慰謝料は基本的に,その後遺症の程度を1級~14級に分け,その該当等級に従って金額が定められることが通常です。
後遺症が認められた場合の自賠責保険の保険金額は,後遺症慰謝料分と逸失利益分(後遺症が残存するために将来の稼働能力減少を補填するもの)の合計金額となります。
しかし,その金額は,8級以下の後遺障害の場合は,赤い本で定められている後遺症慰謝料の金額にすら満たない金額にすぎません。

(2) 休業損害
 ア 休業損害について
休業損害は,基礎収入と休業期間を乗じて,算定するのが一般的です。
サラリーマンの方の場合は,基礎収入も会社から得る給与収入を前提に算定できますし,休業期間も会社が休業損害証明書を書いてくれますので,比較的容易に算定できます。
しかし,そうでない方の場合,保険会社もきちんと算定してくれているでしょうか。ここでは,比較的多い主婦の方について説明していきます。

イ 主婦の休業損害について
例えば,専業主婦の方の場合,収入がない以上,休業損害は認めないということは,あまりにも不合理です。
専業主婦の方は,家事労働を行っており,事故に遭ったために家事労働に支障が出た場合には,相応の賠償が認められてしかるべきです。
そのため,女性労働者の平均賃金を基礎収入とし,受傷のため家事労働に従事できなかった期間を休業期間として休業損害の賠償が認められます。

そうすると,専業主婦ではないが,女性労働者の平均賃金を現実に稼ぐことができていない場合,不公平が生じるようにも思います。
そのため,そのような方の場合,基礎収入については,女性労働者の平均賃金を用いて算定することになる場合が多いです。

このような主婦の方の休業損害については,保険会社の提示に記載されていない場合や,記載されていても自賠責保険基準の通院日数1日当たりの金額とされている場合も少なくありません。

(3) 逸失利益
ア 逸失利益とは
逸失利益とは,交通事故により後遺障害が残った場合に,その障害のために労働能力が低下することを補填するために,認められているものです。
通常は,残存した後遺症の程度・等級(労働能力喪失率),基礎収入,労働能力喪失期間などを乗じて計算します。

イ 労働能力喪失率・基礎収入・労働能力喪失期間
これらがきちんと算定されているかどうかの検証が必要です。
労働能力喪失率について,仕事への影響が小さい等から通常よりも小さく認定したり,労働能力喪失期間も短く算定されていたりすることが少なくありません。

2. まとめ
上述したのは,保険会社の提示金額のうち,増額可能性が大きい項目について,簡単に説明してきました。
実際には,具体的な事情をお伺いしなければ,わからないことも多いかもしれません。

しかし,保険会社から提示金額をもらったら,絶対にサインする前に必ずあなたの味方をしてくれる弁護士にご相談ください

 

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